訪問看護、医療保険と介護保険の使い分け(解答編・1)

介護保険の制度

こんにちは。ゆるゆる居宅ケアマネの佐々木です。
先日記事にした「訪問看護って、医療保険が優先とかややこしくないですか?」の、
問題集の解説編です。
長いので2回に分けました。
ローカルルールとかはあまりないと思うのですが、なにか間違いがあればゴメンナサイ。
2024年現在の制度に基づいてお話していこうと思います。

訪問看護を入れる時の注意点をおさらいしていきましょう

問題編(1)はコチラ
画像をいったん保存して、印刷をかければA4の用紙に収まると思うので
ご自由にお使いください。

パーキンソン病、訪問看護しか利用のない場合

パーキンソン病はヤールⅢ以上の場合、医療保険が優先です。
福祉用具のレンタルやデイサービスの利用など、他のサービスがあればもちろん給付管理しますが…
訪問看護だけだと「介護保険は全く使わない利用者さん」になります。
必要が出たらお声掛けください、みたいな感じになっちゃいます。

ALS、2号被保険者の場合

ALS、筋萎縮性側索硬化症の場合、59歳でも介護保険の申請が行えます。
いわゆる「16の特定疾病」の一つですね。
訪問看護は医療保険なので早急に導入して、並行して介護保険申請しつつ、福祉用具のデモ利用など進めていきましょう。手すりだけなら要支援でもレンタルできるので、介護保険の申請と同時に暫定利用でも良いかと思います。

スモン病、家でリハビリを受けたい場合

自宅でのリハビリ、となると「訪問看護ステーションでリハビリ職が訪問」か「訪問リハビリ」のどちらかになりますね。私の仕事する地域では訪問看護ステーションのほうが事業所数が多く、訪問看護でのリハビリを選ぶ場合が多い。スモン病は、訪問看護の場合は医療保険が優先です。

ただ、これが「訪問リハビリ」となってくると介護保険が適用になるのです。
他のサービスもたくさん使っていて、限度額が足りない場合などはあえて「訪問看護ステーションでのリハビリ」を選ぶのも、都市部でサービスが選べる場合には有効です。

逆に「今のところほかのサービスの利用予定がないけれど、在宅介護の相談にも乗ってほしいし、ケアマネに毎月来てほしい」と言うのであれば、訪問リハビリを利用するのもアリ。
(そんなこと言ったって全部都市部の話で、地域によっては訪問リハビリなんてうちの町には存在しません、という事もあると思いますが…)

類天疱瘡、2号被保険者で訪問看護を利用したい

おお…類天疱瘡は、医療保険が優先となる例のリストには載っていない病名。
介護保険ですか?
いや待て。そもそも63歳で、類天疱瘡しか病名がなければ介護保険が申請できません。
この場合、介護保険は申請せず、医療保険で訪問看護を導入しましょう。
65歳になって介護保険を申請し、認定が下りれば訪問看護は介護保険に切り替えとなります。

骨粗鬆とか、膝の変形性関節症とか、介護保険が利用できる病名があれば話は変わってくるので、インテーク時に病名をしっかり確認しましょう。

コメント

  1. ゆきんこ より:

    いつも、初心者に対しても分かるように説明してくださり、ありがとうございますっ!
    更新待ってました。
    いつも助かってます

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