こんにちは。居宅ケアマネジャーの佐々木羊子です。
訪問看護って、利用者の生活もケアマネの事も助けてくれる強い味方!ですが、導入の際にちょっと苦労する部分もありますよね。今回はそんなお話です。
訪問看護には、介護保険で請求する場合と医療保険で請求する場合がある
パーキンソン病の利用者さんは医療保険が優先
在宅の現場で、医療保険が優先、となればまず思い浮かぶのがパーキンソン病の利用者さん。
先輩から引き継いで、看護師さんが週に3日も来ているのに利用票には入ってないな。
へー、医療保険なんだ。そんな感じではないでしょうか。
この「介護保険より医療保険が優先的に利用される」かどうかは、病名によって厳密に決まっているのです。
「重症筋無力症だけど、知らなかったから介護保険の訪問看護を入れてしまった」みたいな場合、過誤申請して医療保険で請求しなおそうね、となります。
(多くの場合、ケアマネが知らなくても訪問看護ステーションが気づいてくれる。でもたまーに、どこからも見過ごされることがある)
あ、もちろん「医療保険だと3割負担だけど介護保険は1割負担だから介護保険を使いたいな♪」みたいなこともできません。
40~64歳でも介護保険を利用できる、16の疾病のリスト
ずらっと病名の並んでいる、介護保険に関するリスト。どうしてもこの二つのリスト、ぱっと見混同しがちなのです。
この、ざっくり「若い人でも介護保険が申請できる」病名は「罹患率や有病率等について加齢との関係が認められる疾病」であるとされています。
ちなみに佐々木も左膝だけ「変形性膝関節症」の診断を受けていまして、右膝も診断されれば介護保険の申請ができてしまう。歳だから仕方ないね、というやつです。
特定疾病と特定疾患の違い
あくまでも、ケアマネジャーが仕事をする上での理解ですが、「16の特定疾病」がさっきの、40~64歳でも介護保険が申請できる病名。
「特定疾患」≒「指定難病」で、特定医療費支給認定を受けて、医療費がちょっと安くなったりするやつです。厳密に使い分けされていなくて、昔は「特定疾患」しか医療費助成がなかったところに、「難病法」がやってきて医療費助成の対象となる病気が増えた(良いことです)。現場では医療費の助成がある病気を何でも特定疾患と呼びがち…みたいなところがあると思う。
病名と介護保険の関係についてケアマネが理解しておくところ
例えば、パーキンソン病で60歳の方が、「介護保険新規申請して訪問看護を利用したい」と相談してきた場合。「16の特定疾病」にパーキンソン病は入っているから介護保険は申請できるんですけど、ちょっとまって。訪問看護が入るとしたら医療保険ですよね。介護保険の申請を待たなくても訪問看護利用できますよね。そうすると、サービスの導入が1~2か月早くなったりする訳です。制度大事。
なんだったら、ほかにサービス利用なければ居宅の届け出も必要ないんじゃないですか?となったりもする。制度を知っておくことは大事。
お暇なら例題をどうぞ。ケアマネが覚えておくべき、訪問看護の医療保険と介護保険の使い分け
そんな訳で、書き込み式の問題集を作ってみました。
正直、利用者さんにしてみたら「ケアマネが制度を知らないことがあるの?それが仕事でしょう?」と思われるかも知れないけど、ほんっとうに難しい。
先生から訪問看護の指示が出ている/出ていないとか、家で看護師さんはどんなことが出来るのか、費用はどのくらいかかるのか…「本当にそのサービスで暮らしが良くなるのか」といったことと並行して、制度的にどうなのか、という事も考えなくてはならないのです。
うっかり利用できないサービスを組んでしまうと利用者さんや事業所さんに不利益になることもあるので、反復して学んでいきましょう。
答えと解説は次回に!
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