グループホームは施設っぽいけど施設ではない

介護保険の制度

こんばんは。毒にも薬にもならなさそうな豆知識を書き散らす、在宅のケアマネさん。佐々木羊子です。今回は認知症グループホームの豆知識。

魚川さん、グループホームの入所が決まりました。施設入所…さみしいなあ。うん、めっちゃ細かいことだけどグループホームは分類としては「施設」じゃなく「在宅」だから。?めっちゃ施設ですやん。まあ、自宅から出て施設に入る感はあるよね…。その知識、使いどころあるんですか?入所待ちの間、強化型の老健に入りやすい…

そう、認知症高齢者の入居するグループホーム。正式名称だと「認知症対応型共同生活介護」。これ、家族や本人から見るともう間違いなく施設なのですが、介護保険上の分類としては「在宅」になるのです。いや、ケアマネから見てもほぼ、施設なんですけど。

どういうことかと言いますと、「家庭的な環境と地域住民との交流のもとで、介護スタッフによる入浴、排せつ、食事等の介護その他の日常生活上の世話及び機能訓練」を受けながら地域で「共同生活」をしている、というイメージなんですよ。

普段、利用者さんやその家族と話をするときには、ケアマネジャーも「施設」の認識でいいと思います。「施設に入りたいです」って言われて(グループホームは在宅だから候補から外そう)なんて考えるケアマネさんはいないはず。

ただ、本当にビミョーに、グループホームが「在宅」だという事を知っていても良いことがある
1.強化型の老健に入りやすい
2.在宅でしか受けられない制度の恩恵を受けられる
3.制度に詳しい人に「おお、わかっているな」と思われる。

1と2だけ説明していきましょうね。

強化型の老健に入りやすい

ケアマネをしていて、どのくらいこのシチュエーションがあるのか不明ですが…。
希望の施設に入所をするさいに、空きが出るまでどこかで待機する、という事がありますね。
短い期間ならショートステイでつないでもいいかもしれない。
入院できればケアマネとしては助かる。
でも、要介護1でショートステイは月に20日くらいしか使えないけど、1~3か月くらい入所したいこともある。老健入所なら、月の限度額を気にせず利用できる!
デイケアにずっと通っていたから、一時的な入所先として本人も家族も併設の老健への入所を希望してる!
そんな時、たまーにありますよね。

強化型の老人保健施設は、在宅復帰率が重要です。
在宅に戻る人の受け皿なので、基本的に特養入所の待機で…とかはよろしくない。しかし、「グループホームは在宅」と考えると、グループホームの入所待ちをしている利用者さんというのは、老健さんにとっても「在宅復帰を目指している、受け入れるべきケース」になるのです。
ちょっと変な話とも思うけど、ケアマネが知っていて損はない話です。

在宅でしか受けられない制度の恩恵を受けられる

佐々木の住んでいる地域では、在宅で寝たきり(要介護4-5)の方のみ、おむつ給付のサービスがある。施設に入ったら受けられなくなるけど、グループホームは支給対象になる。

その他、「特別障害者手当」も、特養に入ったら受けられなくなるけどグループホームなら受けられる、とか。
居宅療養管理指導も受けられますよ。訪問診療、訪問歯科、訪問薬剤。
それ以外の在宅サービス、特に訪問看護や福祉用具レンタルが利用できないのはちょっと残念ですが。

そういうことがあるので、「利用者さんから見たらAだけど、細かい制度としてはB」みたいなことをしっかりと押さえて、利用者さんにわかりやすい説明ができ、なおかつ制度はうまく利用できるケアマネさんが増えるといいと思います。

参考にしたページ
GHについては「健康長寿ネット」さん
特別障害者手当については岐阜県の土岐内科クリニック「転ばぬ先の杖」さんの記事を参考にしました。

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