こんにちは。普段の業務をため込みすぎてブログの更新が滞りがちな、主任介護支援専門員の佐々木羊子です。今日は、ケアマネの皆さんが多分苦手な、通院の介助について、記事にしていきたいと思います。
そもそも自宅以外での活動はイレギュラー
そう!
本当にそもそもの話をすると、訪問介護というのは「居宅」が基本なので、おうちの中以外での活動は原則認められていません。
そこを、「家から出発して家に戻るから」という理屈で、介護保険の算定ができるようになったのが「買物同行」「通院介助」なわけです。
ここまではよろしいでしょうか。
院内介助は介護保険で算定できない
これですね。病院の中は「医療保険」の範疇。介護保険では「病院の受付まで」。帰りは「会計が終わてから自宅に戻るまで」が算定できる範囲です。
たぶん、世の中のご利用者さんご家族さんが希望しているのはそこじゃない。
病院の中で待ち時間もずっとついてくれていて、診察室にも一緒に入って先生の話もできればメモしてきてほしい。そこが出来ないんです!
という訳でとっても使いづらい。仕方がないので「院内介助は30分いくら」、などと会社ごとに自費のサービス設定をして、介護保険とは別に料金を頂いているケースが多いと思います。
そうは言っても、ヘルパーさんが付き添いしているのを見かけますよ?
そうですね。視覚障害のある方の場合、障害のヘルパーを利用することで、院内も介助してもらえる場合があります。最近では、小規模多機能型居宅介護で通院の支援をしてくれた事業所があって、マルメならではで羨ましいな、と思いました。
サービス付き高齢者向け住宅のオプションで、相談員さんが通院に付き添っているケースもありますね。ただ、「介護保険で」というのは難しいのですよ。
院内介助が認められる場合もある
実は、重度の認知症で目を離せない。病院に確認したが病院でも院内の介助ができない…という場合、介護保険で院内介助が認められる場合がある。しかしここにも罠がたくさんあります。
まず、「単なる待ち時間」は算定できない。検査や点滴などで、本人と離れての待機も算定できない。そして、診察時間も算定は不可です。
よく、「お医者さんからヘルパーに付いてきてほしいって言われたんですよ!それでもだめなんですか?」と聞かれることもあるのですが…ヘルパーさんの仕事内容を振り返ってほしい。
ヘルパーさんの仕事で、介護保険で算定できるものは「老計10号」という文書にすべて書かれています。病院の中で移動や排せつを手伝うのは、必要に応じて「身体介護」として算定できますよね。
でも、「医師の説明を聞き、本人や家族に説明する」って訪問介護の仕事のどこにもフィットしないのですよ。服薬介助でも薬の受け取りでも家事支援でも身体介護でもない。
ちなみに、老計10号に書かれている通院に関しての記述は、以下のこれだけです。
※※※
1-3-3 通院・外出介助
○声かけ・説明→目的地(病院等)に行くための準備→バス等の交
通機関への乗降→気分の確認→受診等の手続き
○(場合により)院内の移動等の介助
※※※
算定できない、その時間をどうするの?と考えると、やはり自費サービスを使っていくしか…現状は、ないと思うのです。
介護タクシーとか福祉車両とか乗降介助とか(資料あり!)
「通院等乗降介助」という介護保険の、訪問介護の一形態があります。これを「介護タクシー」と呼ぶ人もいますよね。ビミョーに違う。ビミョーに違うけどややこしいので、表にまとめてみました。
右上のほうにこっそり書いてありますが、ケアマネさん向けにまとめたものなので、これを利用者さんにそのまま見せて説明とかは、しないほうがいいと思います。新人さんに制度の違いを説明するときなどに活用していただければ嬉しいです。
院内介助については、Q&Aとか根拠のある情報を出したかったのですが、出典を探しなおす気力がなかったので今日(2022.6.19)のところは記憶だけで記事を書きなぐってアップします。そのうち、少し整理して追記出来たらいいな。今日はここまで。
コメント