令和3年制度改正、ケアプラン1表にやってきた「課題分析の結果を書く」問題。

介護保険の制度

令和3年の制度改正でケアプランの標準様式に変化

こんにちは。
マジメなトピックを適当な漫画で描きちらす、ケアマネジャーの佐々木です。
今日は、令和3年の介護保険制度改正で
介護保険最新情報Vol.958(赤字版)に示された、居宅サービス計画書の様式変更。
ケアプランの第一表の書き方についてお話していきたいと思います。

登場人物紹介。新人ケアマネのラム美。居宅2年目。すぐラクをしたがる。指導係の佐々木ようこ先輩。居宅14年目。そこそこまじめだが大志は抱いていない
ラム美
ラム美

「利用者及び家族の生活に対する意向」という項目に
「…を踏まえた課題分析の結果」という文言が
追加になったのよね

そうなのです。
基本の点数の変更、新たな加算(科学的介護加算とか!)の追加など
制度改正でモリモリと変更点があり、
現場のケアマネがほんろうされていた2021年3月31日。
年度末です。
こちとらそれどころじゃない。
いそがしいっちゅーの。

という時期に厚労省から出された「介護保険最新情報Vol.958」。
平成11年に出されてから全く手つかずだった
「介護サービス計画書の様式及び課題分析標準項目の提示について」
一部変更が示されました。

ラム美ちゃんの言っているように、これまで
「本人、家族の意向を書くんだよ」
と教えられてきた部分に、
「課題分析の結果を書きましょうね」
と追加されたのです。

なに?
課題分析の結果って課題分析表に書いてある内容?
ということは病名や本人、家族のできること、できないこと。
家屋の状況などを書くの?
と混乱し、本当に課題分析表の内容をずらずらと
書いてしまったケアマネさんもいた
ようです。

都市伝説か、さすがにつくり話かと思っていたら
本当にいるらしい。恐ろしい。

さすがに、「意向についての課題分析結果でしょう?」
とは佐々木も思っていましたが、実はあまり研究していませんでした。
それにしても唐突だ、と思っていたし。

日本介護支援専門員協会が2021年の7月にPDFファイルで
「介護サービス計画書の様式及び課題分析標準項目の提示について」の一部改正について
という素敵なテキストを作成してくださり、
記載例もあったので「助かるー。だいたい今まで通りでいいのかな?」
「課題分析の結果を踏まえた本人・家族の意向」という言い回しのほうが
しっくりくるなあ」などと暢気に構えていたのです。

ただ、この前でた研修で、講師の先生に指摘されたことが
わたし的には目からうろこ。

これがケアマネジャーがケアプランを作るときのテキスト。私が持っている一番古いのは平成22年のもの。このテキストの11ページ…記載要領に「どのように生活したいかについて課題分析の結果を記載する」と書いてある。まさか。そう!タイトルが変わっただけでココはもともと課題分析の結果を書く場所だった!

唐突だ、と思っていたことが
実は前から示されていたことだった。
なにせ、平成22年のテキストに書いてあるのだから疑いようがない。
多分それ以前のテキストにも、そう書いてある。
聞いてない!何それ?と
混乱したケアマネさんは全員、私と一緒にテキストの
読み込み不足を恥じましょう。


手持ちのテキスト11ページは、3列あるうちの真ん中の列に
「記載要領(厚生労働省通知)」という項目があって
「利用者及びその家族が、どのような内容の介護サービスをどの程度の頻度で利用しながら、
どのような生活をしたいと考えているのかについて課題分析の結果を記載する
と書かれている。

右側3列目には「意義と具体的な解説」とあり、
・意向の確認の仕方
・書き方
について詳しく説明されているのだ。

ここの「書き方」の項目に“利用者や家族が発した言葉で、大事なことはそのまま書く”という文章があり、それが独り歩きしていった結果、その手前の「意向の確認の仕方」がおろそかになっていなかったか?というのが、今回この様式変更を受けての、今の反省点です。

出典:四訂居宅サービス計画書作成の手引き第2版(2010)財団法人長寿社会開発センター

では、どうやって書くの?

これもテキストからの要約ですが

”本人の主訴をそのまま書けば足りるものではありません”
”一緒に課題分析を行いサービスなどの情報提供もするなかで
(中略)徐々に移行が明確になってくる”
”意向が表明されない場合や消極的な時は、意欲的になるように援助する”
とあります。

思うに、
「家でこのまま暮らしたいよ。なんも困ってないよ。なんでも自分でできるしさ」
「でも、何回も転んでいてこのままじゃ危ないですよ。歩行器を使ったり、ベッド横に手すりを置けば移動が楽になりますよ」
「そうだねえ。それはあると楽だねえ」
「そのほうが安心して暮らしていけますよね」

           ↓

本人:自分の身の回りのことはできるので、ヘルパーなどのサービスはまだ必要ありません。手すりを上手く使って、転ばないように環境を整えていきたい」

みたいな話で良いんでないの?
ちょっと適当だけど。
ケアマネとしては
「転倒のリスクがあることを本人と共に確認して、分析の結果福祉用具の利用が本人の自立した生活の助けになると判断しました」と、説明ができればいいと思うの。

間違っていてもいいの。
自分なりの説明が出来れば!

「テキストのこの部分を読んで、こう解釈していました。
間違っていたなら次回から改めます」
こう、言えればいいと思っています。

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