ケアマネの最初のおしごと。訪問と利用表の交付について。

介護保険の制度

こんにちは。コロナ禍ですが、ほかにする事もないので仕事しています。
普通の居宅ケアマネジャーの佐々木です。

このブログ、新人ケアマネさんがお仕事に困らないように…という発信を目指しているので、今回は就職したら初月から発生する業務、「利用表を交付する」についてお話をしていきたいと思います。

そもそも、2021年(令和3年)の書式変更で利用表に「確認印」を押す欄が無くなって現場が混乱していますね。押印いらないところから、印鑑じゃなくサインをもらうところ、欄外に今まで通り印鑑を押してもらっている、などと保険者によって対応が異なるようです。

登場人物紹介。新人ケアマネのラム美。居宅2年目。すぐラクをしたがる。指導係の佐々木ようこ先輩。居宅14年目。そこそこまじめだが大志は抱いていない
新人ケアマネさんが最初にしそうな仕事、ケースを引き継いでのモニタリング訪問。訪問して、利用中のサービスのモニタリング(と、雑談)。新たな課題がないかの確認、そして来月のサービスを確認して利用表交付。来月は14日が通院で、その日あデイを休みですね

昔々、この「モニタリング訪問」で「利用表を交付」することをセットでとらえて、「訪問してハンコをもらってくるスタンプラリー」みたいにおっしゃったケアマネさんがいて…
なんとなーく、この二つの業務を一連のものと捉えている新人ケアマネさんもいるようです。
そんなに間違いでもないけど、一つ一つの業務の意味は覚えておいてほしい。

これまで、利用表に印鑑をもらったのが「訪問した証拠」みたいに思っていたので印鑑が要らなくなるとちょっと不安~ そもそもその認識、めっちゃ色々誤解がありそうだけど…訪問することの必要性と、利用表を交付することってそれぞれ「違う業務」と考えてほしい、えっ、どういうこと? 利用表は、「サービスの開始前に説明して同意を得る」っていう意味合いで交付している。 自宅訪問は「モニタリング」のために行っている。


だから、「訪問した証拠」はモニタリングの記録をきっちり残す、ということでいいと思うんだよね。

ちなみに、利用者さんの家に行って本人と会うけど、本人は認知症で料金の相談などはできないので、利用表の説明は別居の家族に電話で行う事とかある。むしろ、遠方の家族に電子交付できるほうが理にかなっているのでは?と思ったりもします。この運用がこのまま全国バラバラなのか、どこかで整理されていくのかわからないけど。

ところで、モニタリングの記録、ためていませんか?

ラム美
ラム美

ぎくっ

利用表を交付するとき、説明するポイント…の前に一応言っておくけど、利用表はケアプランの一部。6表と7表だからね。来月のスケジュールの確認、だいたいの予算、限度額を超えていないかどうか

まあ、予定の確認は丁寧に行いたいところです。
できれば、作る段階できちんと確認をしておきたい。
今でも忘れられないのが、祝日休みのデイサービスなのに、間違って祝日にも予定を入れた利用表を持って行った時のこと。

「佐々木さんは、ウソの書類を持ってきたのかい…?」
と言われた。ごめんなさいそんなつもりじゃあなかったんですううう。ちょっと、ちょっと確認を怠ったのだ。いや、でも確かに私が悪い。ウソっていうのは聞こえが悪いけど、まあミスです。間違った書類です。

こんな事になってしまうので、持って行く前にチェック。そして、持って行って本人・家族と追加や休みの希望はないか。受診などの予定とバッティングしないか、確認するのです。
ご主人の月命日にはサービスを休む、みたいなこともあるので個別性も重要。
メモなどで利用者さんの習慣、生活状況を把握しましょう。

あと、失敗談でいえば新人のころ、利用表を見ながら
「ヘルパーが2000円、デイサービスが5000円で…」
と伝えたら、
「はあ?デイサービスに1万円近く払ってますけど」
みたいに言われたことがあります。
昼食代を失念していたのですね。

ヘルパー、訪問看護、福祉用具は利用票の金額と利用者さんが支払っている金額が同じですけれど、ショートステイやデイサービスは全然違う。食費、部屋代などが別に発生している。
限度額を超えないようにサービスを調整することも大事だけど、限度額内の単位だけ見てはダメ。介護保険の点数以外にも金額が発生していること、利用者さんの立場での費用負担の把握を忘れてはいけないのです。

もちろん「金額は気にしないよ。幾らかかってもいいからHAHAHA」
と言える人もいれば、「そんなに払えるわけないでしょ」
と言ってくれる人もいて、ケアマネには言えないけど心の中で
「高いなあ。支払いは厳しいけどそんな事言い出しづらいわ」
くらいに思っている人もいる。
(こういう場合、ひっそりと居宅変更されてしまうこともある)

お金の話、本当に大事なのです。


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